東芝BD/HDDレコーダー、DBR-T670レビュー5回目。
今回は本機以外にも録画コンテンツを移動・バックアップが可能になる「SeeQVault」についてご紹介します。
これまでの記事はこちら
- 東芝 DBR-T670 レビュー1【初期設定編】
- 東芝 DBR-T670 レビュー2 【タイムシフト設定編】
- 東芝 DBR-T670 レビュー3【タイムシフト保存編】
- 東芝 DBR-T670 レビュー4【USB-HDD編】
メディア選定
SeeQVault対応メディアにはHDDタイプ(2.5インチ、3.5インチ)とmicroSDカードタイプがあります。
今回は外出先での視聴を試したいので後者のmicroSDカードをチョイス。
メーカーはTOSHIBAを選択。容量は16GB、32GB、64GBの3種類となっています。
カードリーダーが付属するタイプもあります。
尚、SONY製も存在しますがこちらはカードリーダーが別売りの為今回は除外しました。
付属品はUSB2.0仕様のmicroSDカードリーダー、及びmicroSD→SDカード変換アダプタ。
カードリーダーはUSB Micro-B / USB TYPE-A両方に対応。
初期化
本機は前面にSDカードスロットを備えていますのでそちらにmicroSD→SD変換アダプタを使用 したうえで挿し込み初期化します。
初期化が完了すると直ぐにダビングをするかどうか尋ねてきます。
ここでは「しない」を選択。
初期化完了したSQV SDカードには任意の名前をつける事が可能です。
複数枚ある場合も分かりやすい名前を付けてあげれば管理しやすそうです。
ダビング
SDカードスロット接続の場合
スタートメニューの「ダビング」より、ダビング作業にかかります。
尚、SQV SDカードへのダビングはご覧の通り内蔵HDDからのみ可能となっているようです。
その他のメディアの場合はダビング先として表示されません。
内蔵HDDよりダビングする際、録画した番組そのものをダビングするか、持ち出し番組をダビングするかを選択します。
持ち出し番組はデータは軽くなりますがコピーワンス番組が多い私の場合は一切使用していません。
SeeQVaultメディアはあくまで”引越・バックアップ用”のメディアという位置づけのようです。
ダビングしたい番組をリストから選択します。
番組を選択する度にダビングではなくムーブになる旨の選択画面が表示されます。
番組選択の前に一度だけ表示されるようにするなど、ここはちと改善して欲しいところです。
USB接続の場合
実はSDカードタイプのSeeQVaultメディアでも、付属のカードリーダーでUSB接続することも可能です。
ここで前回ちらっと話に上ったUSBハブの1ポートだけ他とは反対側についているのが活きてきます。
付属のSDカードリーダーをDBR-T670に接続してあるUSB3.0ハブへ接続します。
録画番組のバックアップ・引越し時にSeeQVault対応HDDを繋ぐのにもこのポートは便利だと思います。
SQV SDカードをUSBハブに接続すると、USB-HDDと同等の扱いとなります。
録画リスト上でリモコンの「USB」ボタンを押すと「SeeQVault:SDSQV」と表示され他のUSB-HDDとの切り替えが可能です。
ダビングは内蔵HDDのみならずその他のメディアからのダビングも可能になります。
USB-HDD内の番組はSDカードスロット接続では直接はダビング出来ないのでUSBハブ接続でダビングすると良いです。
転送速度も若干USB接続の方が早かったです。
但しダビングでなくムーブになるメッセージが表示されるのは変わらずです。
USB-HDDタイプのSeeQVaultメディアを持っていないので確証は持てませんが、恐らくSeeQVaultメディア全体がコピーワンスとしてのダビング(ムーブ)しか出来ないと思われます。
なのでBDと同じくフォルダ分けは不可となっています。
ダビングの進捗表示は他のダビングの時と同様、分子が減っていくパターン。
こうなると尚更、タイムシフト保存だけ分母が減っていく仕様なのか謎w
視聴
モバイル視聴
microSDカードタイプにした一番の理由がスマートフォン・タブレット端末でのモバイル視聴です。
持ち出し転送の場合は最大でも1280×720の解像度ですが、SeeQVaultなら録画時の画質のまま持ち出せるというメリットがあります。
ただし、コピーワンス番組の場合は持ち出したファイルが破損してしまうと一切試聴出来なくなるというデメリットもあります。
付属のmicroSDカードリーダーのmicroB端子を直接スマートフォン・タブレット端末へ接続します。
Androidでの視聴の際はPIXELA CORPORATION のSeeQVault プレーヤーが必要になります。
因みに制限事項として「Bluetooth製品への音声出力には対応していません」との記載がありますが、確かいつぞやかのバージョンアップで一部対応したはずです。
現にSONYのMW600では再生出来ています。(SCMS-T対応が必要?)
参考|第497回:SCMS-Tとは – ケータイ Watch
スマートフォンやタブレットのmicroUSB端子へSeeQVault対応microSDカードを挿したカードリーダーを挿します。
左がXperia Z Ultra、右がXperia Z3 Tablet Compactです。
因みにiPhone 5sとの比較がこちら。当然iPhoneにはmicroUSB端子がありませんので接続出来ません。
※10/20、Lightning端子タイプの「MSV-LTAシリーズ」が発表されました
接続すると必ずこのダイアログが表示されます。「このUSB機器に標準で使用する」にチェックを入れようが毎回表示されます。
下段がmicroSDカード内の番組一覧。上部に映像が流れます。
当然ランドスケープモードでも視聴可能。
画面を一度タップするとこのように再生関係のボタンが表示されます。
一番右は15秒送り、一番左は5秒戻しです。
残念なのはチャプター情報を引き継げ無い点。もしかすると持ち出し番組であればいけるのかもしれません。
本体視聴
SDカード内の番組を本機に接続し、直接参照して視聴することも可能です。
ここでは前面SDカードスロットに挿した場合で説明します。
スロットに挿入するとこのような選択画面が表示されます。
ここでは「録画番組を見る」を選択。
後は内蔵HDDやUSB-HDDの録画番組を観る場合と同様に、録画リストから視聴したい番組を選択して再生します。
何気に便利だなと感じたのが、スマートフォンやタブレット端末で視聴した続きから再生可能な点。
通勤・通学の電車移動の間に視聴していた番組を帰宅後続きから視聴出来るのは溜め込んでいた録画番組の消化が捗りそうです。
まとめ
今回は番組持ち出しを中心にSeeQVault対応microSDカードについてご紹介しました。
良い点
- 持ち出し用変換なしで観たい番組を転送・持ち出せる
- オリジナル画質のまま持ち出し・視聴出来る
- 早送り・早戻しがネット経由の視聴と違いラグが少ない
- 本機に接続すると続きから視聴出来る
悪い点
- スマートフォン等に直接挿し込むので不格好になる
- スマートフォン等で視聴の際、チャプター情報が引き継がれない
- 再生ソフトウェアの問題か音声遅延が発生することがある
- オリジナルファイルを転送するため、カード破損・紛失すると二度と観れない
不格好になってしまう点についてはSONYのWG-C20を使うと回避出来ますが、残念ながらディスコンになってしまいました…w
チャプター引き継ぎや音声の遅延についても今後のアップデートで改善されるといいですね。
今回は試さなかった機器間コンテンツ移動についてですが、HDDタイプについてはちょっと注意が必要そうです。
というのも、各メーカー毎にHDDのファイルシステムが異なる為です。基本的には同一メーカー間での移動と考えるべきですね。
※東芝:XFS、 Panasonic:EXT4、又はUFS2、 Sharp:XFS 等
参考|CyberLink SeeQVault player で再生の検証をこなっている機器のリスト
DBR-T670のレビュー、次回はいよいよ最後です。
未だメインレコーダーとして君臨しているSONY BDZ-ET2100との比較を中心にまとめ記事をお送りする予定です。