VAIO Meeting 2015#2 【3つの鍵編】

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前回に引き続き、5月25日に行われた、『VAIO Meeting 2015#2』の模様をお送りします。

今回はVAIO Z Canvas開発の柱となる『3つの鍵』編です。

VAIO Z Canvas|『3つの鍵』

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VAIO Z Canvasはタブレット型PCでありながらTDP 47Wの第4世代 Intel Core i7 Hプロセッサ(4コア8スレッド)を搭載しています。

  • アプリケーションの起動が早い
  • 何枚もレイヤーを重ねてもへこたれない
  • 3Dモデリングや4K映像編集にも使える

 

これらを目標に「一般的な薄軽なノート/タブレットPC」とは別のベクトルで開発されたモバイルPCです。

 

 

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このスペックと先のクリエイターたちからのヒアリングの結果「作業に集中したい」という要望に答える為に必要だったのが

  1. 電力設計・・・65Wの小さなACアダプターで使える
  2. 放熱設計・・・36dB以下で静かに冷やせる
  3. 機構設計・・・好きな角度で安定して描けるスタンド

といった『3つの鍵』でした。

 

電力設計

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TDP 47WのクアッドコアCPUは瞬間的には200Wものピーク電力になるそう。

 

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ということで先ずはピーク電力を抑えるミッションがかせられます。

実際にこのCPUを使ってあらゆるユーザーシーンにおけるパフォーマンスを測定しピーク電力を抑える事に成功。

詳細は社外秘らしくこの次のスライドは見せていただけませんでした。

何でも◯ac Book Pro 等同等スペックのPCもこの技術でゴニョゴニョww

 


 

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当然それだけの消費電力に耐えうるACアダプターとなると、こんなにバカでかいものになります。

ここでは開発者さんの愛妻弁当が引き合いにだされますw

如何にPC本体が軽かったとしてもACアダプターがこれでは持ち歩く気になれませんよね。

 

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それを解決したのがこの「Hybrid Power Boost」技術。

通常負荷時はACアダプターから給電。余裕があるうちはバッテリーにも充電されます。

超高負荷時はピーク電力に耐える為ACアダプターとバッテリーの両方より給電。

 

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これによって、ACアダプターは当初のサイズの1/4までの小型化に成功。

先の愛妻弁当が◯ロリーメイト(チーズ味)並のサイズまで小さくなっていますw

 


 

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更に、一般的にバッテリー容量が小さいとCPU高負荷時の使用電力に耐え切れず出力が落ちてしまうそうです。

 

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そこで可能な限りの大容量バッテリーを搭載すべく、

  • 高密度実装技術により本体容積の1/3のバッテリースペースを確保
  • バッテリー内部の基板を縦置きにして省スペース化
  • バッテリーフレームをコンマ数ミリ単位で極限まで削りスペースを確保

これらによりVAIO史上最大となる63Whの大容量バッテリーを搭載することが可能となりました。

 

 

放熱設計

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これで電力的にはTDP 47W のCPUを搭載する目処がたちましたが、それを効率的に冷やせる冷却機構がなければ実現不可能です。

しかも、クリエイターたちからの「作業に集中したい」という要望に答える為には

  • 常時接触部(画面)をの温度を下げる
  • ファンノイズの低減

という2つの課題をクリアする必要がありました。

 

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原理試作モックを作成し、実際に冷えるかをテストします。

当初2基だった冷却ファンはより静かに冷やす為に3基となります。

 

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更に、VAIOお得意?の熱流体シミュレーションで熱源をコンマ数ミリレベルでずらして何度も検証を重ねて、最も効率よく冷やせるレイアウトを導きだします。

 

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ファンを回すことによって発生するノイズには主に二種類あります。

  • 高周波ー高回転時に羽枚数×回転数に起因するピークノイズ
  • うなり音ー複数のファンそれぞれの周波数が干渉して発生

 

これらの耳につくノイズを冷却性能を犠牲にすることなく低減させることに成功します。

  • 不等間隔で配置した羽を使うことでピーク周波数を下げる
  • ノイズの周波数を分散させ、気にならないレベルにまで調整
  • 3つのファンの回転数を制御することでうなり音を抑制

 

電力設計、放熱設計の2つの課題がクリア出来、いよいよTDP 47Wで行こう!と決定します。

 

 

機構設計(フリースタイルスタンド)

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最後の困難な課題はクリエイターの

自由な角度で安定してペンを使えるスタンド

という要望に答える事でした。

 

先ずは同じくペン入力が可能なVAIO DuoのSurf Slide機構に目をつけます。

 

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ヒンジを追加し、角度調整を可能にしたもののその可動範囲は僅か8度が限界だったとのこと。

当然、各所から厳しい意見が寄せられますw

 

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Surf Slideに何か機構をプラスするとバランスが崩れてしまう…

改めてDuoのSurf Slide機構の完成度の高さを実感したところで、新たなスタイルを模索し始めます。

 

そのヒントは意外と近くにありました。VAIO Tap21のスタンドです。

電気チームがモバイル機にデスクトップ機並みのCPUを入れると息巻いていたので、メカチームもTap21のスタンドを入れ込んでしまおう!と小型化の挑戦が始まります。

 

国内外のベンダーに計算書を飛び込みで持込仕様の詳細を詰め、80%のサイズダウンに成功します。

 

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VAIO Tap11にこの試作スタンドを取り付け、

  • 2万回に及ぶ耐久テスト
  • おもりを取り付けての安定するスタンド幅の微調整
  • ダンパーを用い開閉時のスポートを0.1秒単位で調整

などの改良を重ねた結果、非常に軽やかでスムーズな動きをするスタンドが完成します。

 

その後「Adobe Max」で初めてユーザー(クリエイター)に実際に触ってもらい高評価をえます。

ここで初めて『このスタンドで行ける!』と確信したとのことです。

 

次回予告

 

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これで、「電力設計」「放熱設計」「機構設計」の3つの鍵を入手し、VAIO Z Canvasは開発されることとなりました。

次回はこれら以外の細かいこだわりポイントの紹介、最後のまとめとして『解体&まとめ編』をお送りします。

 

 

どん

どん

何事もやってみなきゃあ分からない。物は試しの精神で楽しく、時には後悔も。

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