DELLの4K/60Hz IPS 27インチモニタ、『P2715Q』レビュー。
2回目の今回は、使用編…の前にスペックのおさらいや使用前の準備段階についてをお送りします。
主なスペック
先ずは改めて、主なスペックを確認します。
DELL P2715Q
対角表示サイズ | 27インチ(684.7mm) |
アスペクト比 | 16:9 |
パネルタイプ | IPS/アンチグレア |
バックライト | LEDエッジライトシステム |
最大解像度 | 3840×2160 / 60Hz |
コントラスト比 | 1000:1(標準)/ 200万:1(Dynamic Contrast Ratio) |
輝度 | 350 cd/㎡(標準) |
応答時間 | 中間階調 標準:9ms / 高速:6ms |
視野角 | 垂直:178°/ 水平:178° |
ピクセルピッチ | 0.1554 mm(W)x 0.1554 mm(H) |
カラーサポート | 10億7,000万色 |
モニタ調整機構 | スイベル:左右各45° / チルト:後21° 前5° / ピボット:90° / 上下:115mm |
マウント | VESA(100mm) |
入出力 | DisplayPort1.2(入力) Mini DisplayPort1.2(入力) DisplayPort1.2(出力) HDMI1.4(MHL2.0)(入力) スピーカライン(出力) USB 3.0ダウンストリーム x 4 USBアップストリーム x 1 |
スピーカー | 無し |
寸法/重量 (スタンド含む) |
423.86~538.86mm(H)×640.74mm(W)×203.86mm(D) / 7.53kg |
寸法/重量 (スタンド無し) |
379.66mm(H)×640.74mm(W)×51.50mm(D) /5.03kg |
4K(3840×2160) 60Hz表示に対応しながら、垂直水平共に178°の高視野角を実現したP2715Q。
公式HPによるとsRGB色域カバー率99%を達成。出荷時にキャリブレーションされているそうでカラーキャリブレーションレポートが添付されています。
高視野角と相まって、写真現像に威力を発揮してくれそうです。
デイジーチェーンにも対応していますがDisplayport 1.2なので2面の4K表示の場合は30Hzとなります。
※4K/60Hzのデュアル表示は昨年9月に策定されたDisplayport1.3で対応
ドライバ&ユーティリティ
接続に先立ち、先ずはドライバのインストール。
24インチか27インチか、HDMI接続かDisplayport接続か、後者の場合は60Hzか30Hzがでそれぞれ別のドライバがインストールされるようです。
24インチはリフレッシュレートの区別が無いのは何故だろう・・・?
続いて、必須ではありませんが付属のユーティリティアプリ、『Dell Display Manager』をインストールします。
インストールが完了するとタスクバーの通知領域にモニタのアイコンが表示されます。
アイコンをクリックすると上の写真のようなウィンドウが表示されます。
ここでは主な設定を変更することが可能です。
明るさやコントラストはメニューより変更するよりこちらの方が素早く簡単に出来ます。
アイコンを右クリックするとモニタ上のテキストサイズを調整出来ます。
画面のプロパティを開かずとも設定変更出来るのは便利ですね。
基本タブ
Display Managerを開くとより詳細な設定変更が可能です。
- 解像度
- プリセットカラーモード
- 明るさ
- コントラスト
自動モードタブ
プリセットカラーモードが『自動』の場合、アプリケーション毎にモードを指定することが可能です。
選択可能なモードは以下の8種類。
- 標準・・・デフォルトのカラー設定
- マルチメディア・・・マルチメディアアプリケーションに最適
- ムービー・・・映画に最適
- ゲーム・・・殆どのゲームアプリケーションに最適
- 用紙・・・テキスト表示に最適。紙媒体のシミュレートに
- 暖色・・・色温度を上げ、赤・黄色よりの温かみのある色合いに
- 寒色・・・色温度を下げ、青色よりの涼しい印象の色合いに
- ユーザーカラー・・・手動でカラー設定を細かくカスタマイズ
Easy Arrangeタブ
モニタ内を仮想的に分割し、設定されたウィンドウレイアウトに従って自動でウィンドウサイズの変更が出来ます。
プリセットの他、自分カスタムしたレイアウトを作成することも出来るようです。
オプションタブ
省電力に関する設定。
スクリーンセーバーが有効になった際、明るさを低減させるかディスプレイをスリープさせるかを設定出来ます。
メニュー
続いて、モニタ右下部にあるボタンで操作出来るメニューについてご紹介。
電源ボタンを除くとボタンは4つあります。上から
- ショートカットキー1
- ショートカットキー2
- メニュー
- 終了
3番目と4番目は固定で、1&2についてはカスタマイズ出来ます。
ショートカットキー1にはデフォルトでプリセットモードが登録されています。
メニューの深い階層を辿らなくてもダイレクトにプリセットカラーモードを変更可能です。
選択出来る項目は先程ご紹介した7種類+ユーザーカラーの計8種類です。
『ユーザーカラー』を選択した際は「赤・緑・青」の各色について細かく調整可能です。
ショートカットキー2にはデフォルトで入力信号が登録されています。
- Displayport
- miniDisplayport
- HDMI(MHL)
の3種類から選択します。
1.輝度/コントラスト
- 輝度・・・LEDバックライトの明るさを調整
- コントラスト・・・モニタ内の明暗の差を調整
通常、輝度→コントラストの順に調整します。
後に出てくる『動的コントラスト』がONの場合は輝度の手動調整が無効となります。
2.入力信号
- Displayport
- miniDisplayport
- HDMI(MHL)
上記3種の入力端子のうち、表示したい入力ソースを選択します。
3.色
入力カラー形式
通常は『RGB』で問題無いと思います。出力機器側がYPbPr出力に対応している場合のみ『YPbPr』を選択。
プリセットモード
- 標準・・・デフォルトのカラー設定
- マルチメディア・・・マルチメディアアプリケーションに最適
- ムービー・・・映画に最適
- ゲーム・・・殆どのゲームアプリケーションに最適
- 用紙・・・テキスト表示に最適。紙媒体のシミュレートに
- 暖色・・・色温度を上げ、赤・黄色よりの温かみのある色合いに
- 寒色・・・色温度を下げ、青色よりの涼しい印象の色合いに
- ユーザーカラー・・・手動でカラー設定を細かくカスタマイズ
4.ディスプレイ
アスペクト比
画面の縦横比率を設定。ワイド16:9/4:3/1:1/自動サイズ変更の4つより選択。
シャープネス
画像をシャープまたはソフトにします
動的コントラスト
コントラストレベルを動的にコントロールしてよりシャープで精細な画質にします
応答時間
液晶応答速度を調整。標準/高速より選択
統一性補正
画面全体で統一の取れた輝度と色になるよう調節する
MST
- オフ・・・デフォルト。 最大4K/60Hz表示が可能。MST機能はOFFとなりデイジーチェーン不可
- プライマリ・・・最大4K/30Hz表示が可能。デイジーチェーン時はプライマリモニタとして認識
- セカンダリ・・・最大4K/30Hz表示が可能。デイジーチェーン時はセカンダリモニタとして認識
Displayportには細かいバージョンがあり、モニタとグラフィックカードの組み合わせ次第で画面に一切なにも映らない場合があります。
そのような場合は入力ソース選択時に決定ボタンを約8秒間長押しすると、MST設定をセカンダリに変更することが出来ます。
画面が映らないなと思ったら一度試してみてください。
5.エネルギー
- LED電源ボタン・・・モニタがアクティブの時電源ボタンLEDの点灯をON/OFF設定
- USB・・・モニタがスタンバイ状態の時USB HUBの機能をON/OFF設定
6.メニュー
- 言語・・・メニュー画面上の表示言語を選択。日本語を含む計8言語から選択可能
- 回転・・・メニュー画面を90°反時計回りに回転。縦画面の際に使用
- 透明度・・・メニューの透過度を設定
- タイマー・・・メニュー画面が消えるまでの時間を5~60秒の範囲で設定
- ロック・・・ボタン操作がロックされます。解除は電源ボタン上のボタンを10秒長押し
7.カスタマイズ
幾つかの項目の中から割り当てたい設定項目を自分の利用スタイルに合わせて選択します。
選べる設定項目は
- プリセットモード・・・プリセットカラーモードの選択
- 輝度/コントラスト・・・輝度・コントラストの調整
- 入力信号・・・映像入力端子の選択
- アスペクト比・・・入力信号のアスペクト比の選択
- 回転・・・メニュー画面の縦/横表示の切り替え
8.その他
DDC/CI
ディスプレイデータチャンネル/コマンドインタフェースのON/OFFを設定。
ONの場合のみDell Desktop Managerにて各種設定変更が可能。
LCDコンディショニング
液晶画面上のドット抜け等の問題をチェックするテストモード。
ONにするとチェックプログラムが起動し、5秒おき位に何パターンかの全面単色の画面が表示されます。
消費電力
最後はサンワサプライのワットチェッカー(TAP-TST5)を使用して実際の消費電力を計測してみます。
因みにマニュアル上の記載は上画像の通り。
1.輝度 75(デフォルト)
輝度デフォルト値(75)の場合は約30W。
画面の明るさ的には丁度いいので普段使いは30Wくらいと考えていいと思います。
2.輝度100(Max)
輝度を最大値(100)まで上げた場合は約40W。
マニュアル上には最大95Wとの記載がありますが、輝度以外に消費電力に関係する設定項目がありそうですね。
昼間はこの設定でも見易いですが、夜は明らかに眩しそうです。
あと長時間は目が疲れるかも…
3.輝度 0(Min)
逆に輝度を最小値(0)まで下げた場合は約15W。
ゼロと言っても完全に黒になって何も見えないというわけではありません。
夜間、室内が間接照明のみなどの場合はこれでも十分な明るさかもしれません。
消費電力を抑えたい場合にも有効ですね。
4.モニタスリープ時
P2715Qがスリープ状態になった際は約7W。
スリープ時は電源ボタンのLEDがゆっくりと明滅します。
因みに電源OFFの時は0W表示でしたので1W未満のようです。
次回予告
以上、個人的な忘備録も兼ねてスペックやメニュー周りについてまとめてみました。
かなり写真点数が多かったかと思いますが最後までご覧いただきありがとうございます。
次回は実際にPCに接続してみての使用感をレビューしたいと思います。
お楽しみに!